7/9の講義で扱った例題について
講義の最後で急いでやったので、少し説明を省略していました。
アンケートで質問も数件あったのでここで解説しておきます。
まず、熱量$Q$は
\begin{eqnarray*}
Q=mc\Delta T
\end{eqnarray*}
で表されます。
この例題で水の比熱を$4.19\ [\mbox{J/gK}]$、物体の比熱を$c\ [\mbox{J/gK}]$とすると
\begin{eqnarray*}
\mbox{水が得た熱量} &:& 340\ [\mbox{g}] \times 4.19\ [\mbox{J/gK}] \times (12-10)\ [\mbox{K}] =2849.2 [\mbox{J}] \\
\mbox{物体が失った熱量} &:& 100\ [\mbox{g}] \times c\ [\mbox{J/gK}] \times (80-12)\ [\mbox{K}] = 6800c [\mbox{J}]
\end{eqnarray*}
となります。
外部に熱が逃げていかないので、この2つの熱量は等しく
\begin{eqnarray*}
\mbox{水が得た熱量} &=& \mbox{物体が失った熱量}\\
6800c &=& 2849.2 \\
c &=& 0.419\ [\mbox{J/gK}]\\
c &=& 0.1\ [\mbox{cal/gK}]
\end{eqnarray*}
となります。
ここで、最初の水の比熱を$4.19\ [\mbox{J/gK}] = 1\ [\mbox{cal/gK}]$として計算すれば、
\begin{eqnarray*}
\mbox{水が得た熱量} &:& 340\ [\mbox{g}] \times 1\ [\mbox{cal/gK}] \times (12-10)\ [\mbox{K}] =680\ [\mbox{J}] \\
\mbox{物体が失った熱量} &:& 100\ [\mbox{g}] \times c\ [\mbox{cal/gK}] \times (80-12)\ [\mbox{K}] = 6800c\ [\mbox{J}]
\end{eqnarray*}
となり、計算が非常に楽になります。
なので、講義ではこちらの式を採用して解説しました。
プリントに採用した問題が少し不親切で判り難かったかもしれません。
この問題をテストに出す場合は「この物体の比熱$\ [\mbox{cal/gK}]$を求めよ。」
と記述しておきます。