CIT

教養の物理~5/14分のアンケートに関して

・次元の覚え方を教えて下さい。
・次元についてのイメージが掴み難くてわからないです。

次元解析とは物理量を$[\mathrm{L}][\mathrm{T}][\mathrm{M}]$を使って表すことです。
それぞれの物理量は「どのような要素から構成されているのか?」を
考えるうえで重要になります。
また、単位を組み立てる時にも有用です。

それぞれの物理量は、定義式や法則から導き出されています。
その式に$[\mathrm{L}][\mathrm{T}][\mathrm{M}]$を当てはめて考えれば良いのです。

例えば、速度は

\begin{eqnarray*}
v= \frac{\mathrm{d} x}{\mathrm{d} t}
\end{eqnarray*}

と定義されています。
よって、速度の次元は

\begin{eqnarray*}
\biggl[\frac{\mathrm{L}}{\mathrm{T} } \biggr]
\end{eqnarray*}

となります。

運動エネルギーは運動方程式を$x$で積分した時に出てくる

\begin{eqnarray*}
\int \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t} \Bigl( \frac{1}{2}mv^2 \Bigr) dt & = \int F dx
\end{eqnarray*}

左辺の部分の$ \frac{1}{2}mv^2$です。

よって、運動エネルギーの次元は

\begin{eqnarray*}
[\mathrm{M}] \biggl( \biggl[\frac{\mathrm{L}}{\mathrm{T} } \biggr] \biggl)^2 =
\biggl[\frac{\mathrm{M}\mathrm{L}^2}{\mathrm{T}^2 } \biggr]
\end{eqnarray*}

となります。
この時、構成されている要素だけを考えるので係数の$\frac{1}{2}$は関係ないです。

この様に、式から順を追って考えればよいのです。

・$\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\Bigl( \frac{1}{2}mv^2 \Bigr) =\frac{1}{2}m \cdot 2vv'$ の$v'$が出てくるのがなぜか解らなかった。
・合成関数は習っていないのでわかりませんでした。

合成関数の微分法は
$y=f(g(x)), \quad g(x)=u$としたとき

\begin{eqnarray*}
\frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d} x} = \frac{\mathrm{d}y}{\mathrm{d} u} \cdot \frac{\mathrm{d}u}{\mathrm{d} x}
\end{eqnarray*}

或いは

\begin{eqnarray*}
{f(g(x))}'=f'(g(x)) \cdot g'(x)
\end{eqnarray*}

となります。

細かくは数学の教科書を参照してください。

・運動方程式は$ma=F$だったのだが、式を使う時に$ma=-mg$に変わったのでちょっとややこしかった。

運動方程式は$ma=F$と表しますが、Fというのはその軸に沿って働いている力の全てを指しています。
よって、細かく書くと

\begin{eqnarray*}
ma=f_1+f_2+ \cdots + f_n
\end{eqnarray*}

となります。
$f_1,f_2, \cdots , f_n$にはそれぞれの力が対応することになります。
軸の向きに注意して運動方程式を立てれば良いのです。

・エネルギーの和=0 一定が良くわからない。
・微分して0 一定とか

エネルギー保存や運動量保存を表す方法の表現についてです。
物理学で保存しているという意味は、「時間が経っても変化しない」「時間に依存しない」
と言うことを指しています。

従って、保存しているということを示すためには

・時間で微分してみたらゼロだった。
・実際に計算してみたら$t$を含まない量になった。

と言うことを示せば良いことになります。

質問の指しているモデルはおそらく講義で扱った自由落下のモデルの事だと思います。

講義では実際に計算した場合を扱ったと思います。

運動エネルギー$K(t)$は

\begin{eqnarray*}
K(t)=\frac{1}{2}mv^2=\frac{1}{2} m (-gt)^2 = \frac{1}{2}mg^2 t^2
\end{eqnarray*}

位置エネルギー$U(t)$は

\begin{eqnarray*}
U(t)=mgx =mg \Bigl(-\frac{1}{2} gt^2 \Bigr) = -\frac{1}{2}mg^2 t^2
\end{eqnarray*}

と計算できます。
よって全力学的エネルギー$E(t)$は

\begin{eqnarray*}
E(t)= K(t)+U(t) =\frac{1}{2}mg^2 t^2 + \Bigl( -\frac{1}{2}mg^2 t^2 \Bigr) =0
\end{eqnarray*}

となります。
よって、このモデルでは$E(t)$は$t$を含まない定数であることがわかります。
従って「$E(t)$は時間に依らず保存している」ということができます。

「時間で微分してみたらゼロだった。」という方法で示す場合は
運動方程式を変形していくことになります。

運動方程式は

\begin{eqnarray*}
m a &= -mg \\
m \frac{\mathrm{d} v}{\mathrm{d} t} &=-mg
\end{eqnarray*}

です。
この両辺に$v=\frac{\mathrm{d} x}{\mathrm{d} t}$をかけると

\begin{eqnarray*}
m \frac{\mathrm{d} v}{\mathrm{d} t} v &=& -mg \frac{\mathrm{d} x}{\mathrm{d} t} \\
\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\Bigl( \frac{1}{2}mv^2 \Bigr) &=& \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\Bigl( -mgx \Bigr) \\
\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t}\Bigl( \frac{1}{2}mv^2 +mgx\Bigr) &=&0
\end{eqnarray*}

となります。
ここでこの式をよく見てみると、$(\qquad )$の中の部分が運動エネルギー$K(t)$と位置エネルギー$U(t)$の和になっていることがわかります。
よって、全力学的エネルギー$E(t)$を$t$で微分したらゼロになっているので、$E(t)$は時間を含まない量であることがわかります。
従って「$E(t)$は時間に依らず保存している」ということができます。

いずれの方法でも示すことができるようになっておきましょう。

・斜衝突がよくわからなかった。

斜めに衝突する場合はベクトルとして考える方法と、
成分に分解して考える方法があります。
講義で扱った例は成分に分解して考える方法です。
成分に分解して考える場合は、軸の向きとそれそれの成分に分解することが重要です。

・授業の内容の進み具合が早く、内容を理解する前に次の内容に進むので内容が頭に入らなかった。
・聞いていてもよくわからないことが多くて少し不安です。

家での復習の時間を取りましょう。
復習してわからない部分については次回の講義の時に質問をしましょう。
どの科目でも同様の事かと思いますが、前の講義を前提として
次の講義の内容になります。
前の段階で穴があると判らない部分が広がってどこから手をつけたらよいか
わからなくなる可能性があります。
早い段階で穴は埋めておかないと大変なことになりますよ。

・速度を文字で表すとき電圧の文字とかぶらないように$v$と表記すべきか?

基本的には分野が変われば混同はしないと思います。
混同するような場合はその時に指定されると思うので、とりあえずは気にしなくていいと思います。

・授業の中でもう少し例題をやって欲しいです。

なかなか90分の講義15回分では難しいです。
中テストなどのテストも演習の一環として考えています。

・問題の解答はどこまで書けばいいのかわかりません。

質問の意味が微妙に判らないのですが、
問題文に聞かれている通りに答えれば良いと思います。
「~を示せ。」とあれば「~な理由で~が言える。」などの記述が必要になります。

・数学の部分がなかなか難しい。

物理と数学は密接に関わっています。
数学の部分も疎かにせずしっかりと復習をしましょう。

・円運動を講義で扱わないと大変なことになる予感がするのですが・・・

並行して進行している「物理学基礎」の講義で扱うと思うので、それほど心配することは無いと思いますよ。

・物理をやる意味は何ですか?

物理を専門としてやる人と工学部としてやる人とでは微妙にやる意義は変わってくると思います。

基本的に物理は「物理現象の解明」が目的です。
その現象に「普遍的な定理・原則があるのか?」を探求しています。

その物理において、工学の人間として物理を勉強する意義は

「さまざまな分野で応用されている基本原理を理解し、さらなる発展を見出す基礎力をつけること」
だと思います。
基本的な原理を理解せずして、応用的な物を生み出す事は難しいと思います。

ざっくりと言うと
「新しい原理や法則を探す人」が物理屋さんで、
「見つけられた原理や法則を使って何か物を生み出す人」が工学屋さんです。

なので、「既に発見されている物理を学ぶ」ことは工学屋にとっても大事なのです。

・高校でも物理に微積を使わせてくれれば良かったのにと思います。

私もそう思います。
微積を使わないで無理やりやろうとした結果、覚えなくても良い公式が大量に生産され、
「物理は公式を覚えて当てはめるだけ」と言った誤解が生まれてしまっています。

数学を道具として正しく使うことが出来るようになれば覚える式なんて
大した量は無いはずです。

・食堂で好きなメニューは何ですか?

学食は学生の皆さんが多く、混んでいるのでほとんど利用していません。

・趣味は何ですか?
・カメラはやっていますか?

カメラは依然は一眼レフを使っていましたが、重いので最近では
さっぱり使っていません。
最近のデジタルカメラの進歩が凄いので、スマホやコンパクトデジカメ程度でも
良い写真がとれるのでいい時代になったものです。

趣味は、一応「物理」、あとは「読書」「音楽鑑賞」など。
デジタルな物が好きなので、パソコンやタブレットなど新製品が出ると
気になってしまいます。
いろんな分野に手は出してみるものの「熱しやすく冷めやすい」ので
趣味と言えるほど長く続いているものは数えるほどしかありません。

・どこの会社のメガネですか?

最近のメガネは縁が太いタイプのものが多く見受けられます。
縁が太いタイプは視野が狭くなりそうな気がするので昔からのタイプの物を
使用しています。

質問されたので調べてみました。
このメガネは「Air fit」というシリーズの「AF-6003F」という型番でした。

グーグルなどで検索をかけるとすぐ出てくると思います。

・どんなパンが好きですか?

クロワッサン
トルティーヤ
など

・お昼を食べたのにもかかわらず5限にお腹が空いてしまいます。どうしたらいいですか?

何を食べたのかはわかりませんが、ご飯を食べる時によく噛むと良いです。
早食いは食べた感覚が鈍ってしまうようです。

・ご飯のおかずは何が好きですか?

刺身
魚料理

・旅行するならどこへ行きたいですか?

なかなかまとまった時間が取れないので旅行にはしばらく行っていないです。
国内なら温泉、海外ならヴェネチアに行きたいかな。

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