某まとめサイトの流し見をしていたら、興味深いニュースが出ていました。
大学生の数学力に関するニュースで、次の問題の正答率が33%という結果でした。
問題
偶数と奇数をたすと、答えはどうなるでしょうか。
次の選択肢のうち正しいのに〇を記入し、そうなる理由を下の空欄で説明して下さい。
(a) いつも必ず偶数になる。
(b) いつも必ず奇数になる。
(c) 奇数になることも偶数になることもある。
この問題での正答率が33%はかなり低い正答率だと思います。
選択肢はすぐ解ると思います。
証明が正しくできるかがポイントでしょうか。
さて、この問題を数学の問題としてきちんと解答するにはどうしたらよいのでしょうか?
ポイントは2つあります。
・偶数、奇数をどのように表現するか?
・偶数と奇数の和がどのように計算できるか?
です。
まず、偶奇の表現は
偶数:$2n$ ($n$は整数)
奇数:$2m+1$ ($m$は整数)
と表せます。
ここでの注意点は「$2n$と$2n+1$では不十分である」ということです。
$2n$と$2n+1$の場合は、例えば$n=2$のとき、
$4,5$の様に連続する二つの偶数、奇数になります。
しかし、問題では連続するという指定はありません。
従って、$n$だけでなく、別の文字$m$を用いて表現します。
後は、「この和がどう計算できるか」になります。
\begin{eqnarray*}
2n+2m+1 = 2(n+m)+1
\end{eqnarray*}
$n,m$は整数なので$2(n+m)$は偶数であり、その値に$1$を加えた値は奇数となる。
と言えるわけです。
ニュースサイトによると、
不正解67%の内訳として
・$2n,2m+1$のようにせず、$2n,2n+1$としてしまった。33%
・説明において1つの例しか挙げていなかった。11%
・選択肢自体を誤った。17%
・その他 5%
これは・・・。
選択肢すら間違っているのが17%とは・・・。
ちょっと日本の未来が不安に感じます。