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教養の物理~06/25分のアンケートに関して その3

・電流がつくる磁場のところ、かなり難しかった。
・磁場の式で簡単な把握のやり方はありますか?

磁場の式に限ったことではないですが、
式が何を表しているのかを理解することが大事です。

式と図を対応させて考えることが早い理解のつながります。

アンペールの法則
- 磁場と電流を結びつける法則です。
cit-qa150625-3-1

・磁束密度と磁場の強さの違いがピンと来ません。

これには歴史的な事情があって混乱の元になっているのかもしれません。

現代では、「すべての磁場は電流起源」であるとわかっています。
従って、磁場は「電流素片が受ける力」と定義します。
これをE-B対応の電磁気学と言います。
しかし、歴史的には磁場の発見は磁石からが先にあるので
電荷と同じように磁荷がある考えられていて、
「磁荷が受ける力」を基本要素として
電磁気学を考えてきました。
これをE-H対応の電磁気学と呼びます。

電場$\vec{E}$に対応する物理量$\vec{H}$が

\begin{eqnarray*}
\vec{F}=q_m\vec{H}
\end{eqnarray*}

という定義式で在り、
電場を表す物理量が$\vec{E}$(電場)と$\vec{D}$(電束密度)があったのと同様に、
磁場を表す物理量も$\vec{H}$(磁場)と$\vec{B}$(磁束密度)の2種類があります。
この2つの間の関係は
\begin{eqnarray*}
\vec{B}=\mu_0 \vec{H}
\end{eqnarray*}

です。

一方、E-B対応では
「電流素片が受ける力」を$\vec{B}$と定義して、磁場と呼びます。
\begin{eqnarray*}
\vec{F}=Id\vec{s} \times \vec{B}
\end{eqnarray*}
と表します。

いずれの対応の場合でも$\vec{B}=\mu_0 \vec{H}$の関係は変わりません。
E-B対応の場合は$H$を「磁場の強さ」と呼ぶことが多いですが
「磁場」と呼ぶこともあります。

E-B対応とE-H対応では$B$と$H$の役割が逆転してややこしいですから注意が必要です。

・大学時代どのように物理を勉強していましたか?

講義で扱ったモデルを書き出して流れの把握
講義で与えられた問題の解答を作成
図書館で類題を漁って法則の使い方の練習

基本的にこんな感じの事をしてました。
図を書いたり、式変形なども省略せずに自分で1度は計算してました。
とにかく手を動かしていました。
解らない部分は友人や先輩に聞いたり、
図書館で似たようなモデルの解説を探したり
どうしてもダメな時は先生に聞きに行ったりしてました。
解らない部分を残したまま先に進むと、
よけいわからなくなりかえって効率が悪くなります。
解らない部分の解消は重要です。
様々な手段を使って解らない部分をつぶしていきましょう。

・物理学の魅力を教えてください。

一見、自明でない現象が理屈の積み重ねで説明できると気付いた時、
ある種の快感を覚える。
「あ、なるほど」と、
この自然現象の理解が自然科学全般においての魅力でしょう。

特に物理学においては、なるべく少ない法則で世界を理解しようとしている点が魅力的です。

・抵抗の記号はどっち派ですか?

自分が高校生くらいの頃はギザギザを使ってましたが、
大学に入ってからは長方形を使うことが多くなり、
今ではギザギザはほとんど使ってないです。



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