・交流回路の例題について
問題で与えられている交流回路において電流$I$の1周期は下図のようになる。
これをこのまま平均するとプラスとマイナスで相殺し合ってしまうので、
「一旦2乗して平均を計算し、その後にルートする」という手法を取ります。
$I^2$においては下図のようになります。
計算するのは$\langle I^2 \rangle$で、図の網掛けの部分の平均になります。
周期$T$は問題文では使用していないので、
問題文で使用している周波数$f$に書き換えると$\frac{1}{f}$になります。
よって、
\begin{eqnarray*}
\langle I^2 \rangle = \frac{1}{1/f}\int_{0} ^{1/f} I_0^2 \sin^2 (2\pi ft)dt
\end{eqnarray*}
を計算することになります。
・回路方程式~エネルギー保存則のあたりが少しわからない。
RC回路の回路方程式は
\begin{eqnarray*}
RI+\frac{Q}{C}=V
\end{eqnarray*}
となります。
この式の両辺に$I=\frac{dQ}{dt}$をかけてみます。
(運動方程式に$v=\frac{dx}{dt}$をかけた時と同じようなイメージです)
すると、
\begin{eqnarray*}
RI\cdot I+\frac{Q}{C}\frac{dQ}{dt}&=&\frac{dQ}{dt}V \\
RI^2 +\frac{d}{dt}\Bigl( \frac{1}{2} \frac{Q^2}{C} \Bigr) &=&\frac{dQ}{dt}V \\
\end{eqnarray*}
となります。
ここでそれぞれの項が何を表しているのかを考えてみると、
\begin{eqnarray*}
RI^2 &:& \mbox{ジュール熱} \\
\frac{d}{dt}\Bigl( \frac{1}{2} \frac{Q^2}{C} \Bigr) &:& \mbox{単位時間あたりの静電エネルギー} \\
\frac{dQ}{dt}V &:& \mbox{消費される電力} P
\end{eqnarray*}
となります。
この式からも解るように
$RI^2 , \frac{d}{dt}\Bigl( \frac{1}{2} \frac{Q^2}{C} \Bigr), \frac{dQ}{dt}V$は同じ次元の物理量になります。
・合成抵抗についてもうちょい詳しくお願いします。
基本的に「オームの法則」と「キルヒホッフの第1法則,第2法則」で
計算することができます。
実際に回路図を書いてどの回路に対して式を立てるのかを考えながらやるとよいです。
後は、具体例をどんどんやってみて下さい。
・新しい単語が出てきて難しかった。
電磁気学は力学よりも重要なパラメータが多いので
言葉の定義を理解する必要のある物理量が増えています。
一つ一つ、おさえていきましょう。
とりあえず、ここまで。