・公式の証明について
基本的な定義や法則の導出は理学・工学に関係なく理解する必要があると思います。
・もっと公式だけでなく問題もやりたいです。
各自で問題集を解いてみて下さい。
レポートとして持って来れば採点して返却します。
・$mv\frac{\mathrm{d} v}{\mathrm{d} t}=\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t }\Bigl( \frac{1}{2}mv^2 \Bigr)$の変形について
$mv\frac{\mathrm{d} v}{\mathrm{d} t}=\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t }\Bigl( \frac{1}{2}mv^2 \Bigr)$の変形が解らない人が多い様です。
おそらく、あまり慣れない式変形だからだと思います。
そもそも、微分と積分は互いに逆演算な関係です。
ある関数を積分して、その積分したものをさらに微分して元の形に戻れば
「その積分は正しいものであった」と言うことになります。
積分したものを微分して元に形に戻らない場合は
元の形に戻るように調整をしてあげる必要が出てきます。
所謂、「つじつま合わせ」です。
簡単な例で言うと、
$x^2$を$x$で積分するとき、$x^2$があるので積分したら$x^3$があるはずです。
しかし、このままでは$x^3$を微分した時に係数として$3$が出てきてしまいます。
そこで$x^3$を$\frac{1}{3}$しておけばつじつまが合うことになります。
よって、
\begin{eqnarray*}
x^2 = \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} x} \Bigl( \frac{1}{3}x^3 \Bigr)
\end{eqnarray*}
となります。
同様の考え方で今回の式変形を行っています。
$v\frac{\mathrm{d}v}{\mathrm{d}t}$で、$v$が$1$乗なので、積分は$v^2$と想像できます。
試しに、
\begin{eqnarray*}
\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t} \Bigl( v^2 \Bigr)
\end{eqnarray*}
をやってみると
\begin{eqnarray*}
\frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t} \Bigl( v^2 \Bigr)=2v \cdot v' =2v \frac{\mathrm{d}v}{\mathrm{d}t}
\end{eqnarray*}
となります。
この$2v \frac{\mathrm{d}v}{\mathrm{d}t}$と元の式を見比べると$2$が余計についてしまっています。
そこで、積分した形に$\frac{1}{2}$をしておけばつじつまが合うことになります。
よって
\begin{eqnarray*}
v \frac{\mathrm{d}v}{\mathrm{d}t} = \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t} \Bigl( \frac{1}{2}v^2 \Bigr)
\end{eqnarray*}
となります。
これに$m$の定数がかけてあるので
\begin{eqnarray*}
m v \frac{\mathrm{d}v}{\mathrm{d}t} = \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t} \Bigl( \frac{1}{2}m v^2 \Bigr)
\end{eqnarray*}
となるわけです。
だから、「なんで$\frac{1}{2}$がでてくるの?」という質問に対する答えは
「$2$乗を微分した時に出る$2$を消すためのつじつま合わせ」ということになります。
バネの仕事
\begin{eqnarray*}
k x \frac{\mathrm{d}x}{\mathrm{d}t} = \frac{\mathrm{d}}{\mathrm{d} t} \Bigl( \frac{1}{2}k x^2 \Bigr)
\end{eqnarray*}
も同様の考え方で式変形しています。